新年度が始まり、2ケ月が経ちました。今年度から可能な限り、学校行事を中高一本化して行くことで、準備を進めて来ました。入学式は、午前と午後に分けて、同日開催。校内大会や遠足、英検、定期試験もできる限り統一した形式で実施してきました。長年、中高それぞれの伝統の中で培われてきた文化に適応しにくいのは、むしろ我々教員の方で、生徒は新しいシステムに戸惑うことなく、マイペースで日々の学校生活を楽しんでいるようです。
 今回は、新常任委員長と副委員長の二人に来てもらい、校内スポーツ大会の感想や今後の抱負などを聞いてみました。

博学深究 21

それでは、新常任委員(生徒会役員)の二人に色々と聞いてみたいと思います。まずは、校内(スポーツ)大会、お疲れ様でした。
S) 有難うございます。校内大会に関しては、とにかく高2の常任委員の二人が居てくれて助かりました。二人は、校内大会が何たるやということを熟知していて、安心して任せることが出来ました。
Y) 私は、副委員長として、雑用に走り回りました(笑)。会場が、落雷で停電になるなどアクシデント もありましたが、急な事態にも生徒がうまく対応してくれて、嬉しかったです。
中高だと約1500名の生徒を動かさなければならないのだけれども、苦労したことはありますか?
S) 一番感謝したいのは、審判を担当してくれた運動部の人達です。急な変更にも嫌な顔をせずに、すぐに割り当てを決め、コートに走ってくれました。
それは、心強かったね。ところで、委員長のSさんは、どうして常任委員に立候補したのですか?
S) 私は、企画を作って、皆をまとめて行くのを楽しめるタイプだ思っているので、委員に立候補しました。初等学校から成城なのですが、初等学校では、(皆が委員になりたがって)委員になるのが難しいのです。いかにジャンケンで勝ち残るかという習慣が身についていました。しかし、中1の(委員選出の)時に手を上げたのは私だけで、皆が反応しないのに驚きました(笑)。
Sさんならではの思い出だね。Yさんは、どうして常任委員になったのですか?
Y) 私は、高校から成城ですが、入学前から生徒会の仕事をしたいと考えていました。もともと行事の運営や裏方に向いている性格だと思います。
なるほど。成城に入って驚いたことは、ありますか?
Y) とにかく先生と生徒の距離が近いことです。先生をあだ名で呼ぶなんて信じられませんでした。先生と生徒の仲が良いことに衝撃を受けました。(一同笑)
生徒会主任のI先生は、どんな感じで皆をサポートしてくれるの?
S) 校内大会中にキュンと来たことがあるのですが、3日目の組合せを決めるのに時間がかかり、夕食を買って来ることになりました。私が「先生も一緒に食べますよね」というと「僕は、妻の夕食が待っているので・・・」という返事でした。お子さんもまだ小さいのに、私達に付き合ってくれて感謝です。
Y) 普段は、とても優しいのですが、やる時はピシッとやってくれて助かります。
誠実さが見える先生なので、キュンとする気持ちは分かるなあ。それでは、常任委員会として、これから進めて行きたい企画はありますか?
S) 昨日、生徒委員会があり、色々な意見がでました。自分として、納得する提案も多くあったので、多くのアイデアを吸い上げ、全校生徒の希望を叶えて行きたいと思います。それには、まず目安箱を作り、生徒からの意見を吸い上げる流れを作って行きたいと思います。
地味な仕事だけれども学校を良くするために頑張って下さい。それでは、最後に将来の夢を聞かせて下さい。
S) 老後は、決まっているのですが・・・(笑)。子供の頃から都会で育ってきたので、雪が多く降るような田舎で暮らしたいです。夏は、カブトムシを採りに、冬は雪とたわむれるような生活にあこがれます。現実的なことを言うと医療系の大学を志望しています。祖父が、細胞の研究をする研究者なので、あこがれがあり、研究者になりたいです。
Y) 私も医療系の大学を志望しており、救急救命に携わるような臨床医になりたいです。そして、その技術を若い人に伝えて行けるような次世代に残せる仕事に就ければなあと思っています。
S) ノーベル賞を取ったら、私もスウェーデンに連れて行ってね(笑)。もう一つ田舎にあこがれる理由として、父が田舎で白内障のDr.をしていることがあります。田舎にも関わらず最先端の医療をやっていることは、とても尊敬しています。
尊敬する人物が、父親というのも実にいいね。今日は、有難う。これからも全校生徒のために頑張って下さい。

 入学時期が全く異なるのに、とても息の合った二人でした。高校2年生から理数コースを選択したクラスメイトで、それぞれの目標に向かい、常任委員と勉強の両立を図っています。人の為に何かをしたい、人の為に役立つ職業に就きたいという思いは、とても成城生らしいところです。本人達には、あまり自覚がないかもしれませんが、こんな面で、豊かな「感性」と「知性」が育っているような気がします。5月5日に創立100周年を迎えた成城学園は、第2世紀に向け、新たなスタートを切りました。